犬用のおもちゃとして人気の「コング」は、愛犬の知育やストレス解消に最適なツールとして多くの飼い主に支持されています。
しかし、使い方によっては予想外のトラブルやケガなど事故を引き起こすこともあります。
本記事では、コングを安全に使用するために注意すべきポイントを中心に、犬とコングに関連する事故のリスクや、正しい選び方・使い方について詳しくご紹介します。
これにより、事故を未然に防ぎ、安心して愛犬にコングを楽しんでもらえるようになるでしょう。
コングってどんなおもちゃ?その人気の理由と魅力
コングは、天然ゴムで作られた丈夫なおもちゃで、犬が噛むことで遊びながら脳を活性化させ、ストレスを解消する効果があります。
チョココロネのような独特な形状で、片方に大きな穴、もう一方に小さな穴があり、その中におやつを入れることで、犬はそれを取り出そうと試行錯誤します。
この過程で知育効果を得られることが、コングの最大の魅力です。
また、世界中で40年以上にわたって愛され続けているという実績からも、その信頼性の高さが伺えます。
丈夫な天然ゴム製で壊れにくく、長く使える点も、多くの飼い主に支持されています。
しかし、どんなに人気が高くても、使い方や選び方を誤ると、事故やトラブルが発生する可能性があります。
コングで犬の事故はどんなものがある?
コング自体は非常に安全なおもちゃですが、以下のような事故が起こることがあります。それらのリスクを理解し、適切な対策を講じることで、安心してコングを使用することができます。
1. 誤飲事故
最もよく報告される事故の一つが「誤飲」です。特に、小型犬や成長期の子犬が小さなコングを使っているときに、誤って飲み込んでしまうケースがあります。
犬のサイズに合ったコングを選ばないと、このような事故が起こりやすくなります。
具体的な例として、成長後の犬に、子犬の頃に使っていた小さいコングをそのまま与え続けることで、犬が誤って飲み込んでしまい、緊急手術が必要になることがあります。
このため、愛犬の体格や口の大きさに合わせて、コングのサイズを定期的に見直すことが非常に重要です。
2. 歯の損傷
コングの中には、非常に硬いゴムで作られた「ブラックコング」という製品があります。これは、特に噛む力が強い犬用に設計されていますが、噛む力が弱い犬やシニア犬に与えると、逆に歯が折れる、欠けるといった事故が起こることがあります。犬の歯の状態に合わせたコング選びも重要なポイントです。
3. ゴムアレルギー
一部の犬は、コングの素材である天然ゴムに対してアレルギーを発症することがあります。
これを「接触性アレルギー」といい、犬がコングで遊んだ後、口の周りや手足に赤みやかゆみが現れることがあります。
もし、これらの症状が見られた場合は、直ちに使用を中止し、獣医師に相談しましょう。
コングの事故を防ぐために知っておくべき選び方のコツ
コングによる事故を未然に防ぐためには、愛犬に合ったサイズと種類を選ぶことが何より重要です。
ここでは、適切なコング選びのポイントについて詳しく解説します。
サイズ選びの重要性
犬の体格に合わないサイズのコングを選ぶと、誤飲事故のリスクが高まります。
5種類のサイズから合うサイズを選択
コングには、XSからXLまでの5種類のサイズが用意されています。これにより、どんな犬種でも最適なサイズのコングを選ぶことが可能です。
区分 | 長さ | 適合犬種 |
---|---|---|
XL | 縦126mm・横87mm | 超大型犬 27kg以上 (グレートプレニーズ・秋田犬など) |
L | 縦102mm・横70mm | 大型犬 13~30kg (ラブラドールレトリバー・スタンダードプードルなど) |
M | 縦86mm・横57mm | 中型犬 7~16kg (柴犬・シェルティ・コーギーなど) |
S | 縦71mm・横44mm | 小型犬 9kgまで (シュナウザー・トイプードルなど) |
XS | 縦56mm・横36mm | 超小型犬 2kgまで (チワワ・ヨークシャーテリアなど) |
成長に応じて、愛犬の口の大きさや噛む力に合ったサイズに変更することが、安全性を保つカギです。
4種類のゴムの硬さから選ぶ
コングは、ゴムの硬さにより4種類のバリエーションがあります。それぞれの用途を理解し、愛犬の年齢や噛む力に応じた選択が大切です。
区分 | 硬さ |
---|---|
ブラックコング S・M・L・XL |
生後10か月~6歳 非常に硬く、強い噛む力を持つ犬に適している。 |
標準コング XS・S・M・L・XL |
生後10か月~6歳 通常の成犬用で、噛む力が標準的な犬におすすめ。 |
シニアコング S・M |
7歳以上 少し柔らかめで、歯や噛む力が衰えたシニア犬向け。 |
パピーコング XS・S・M |
生後2ヵ月~9ヵ月 最も柔らかいタイプで、歯が生え変わり中の子犬や噛み癖を練習する犬に。 |
愛犬の年齢、噛む力、そして好みに応じて最適な種類を選ぶことで、事故のリスクを減らすことができます。
コングで遊ぶ際に気をつけたいこと
コングでの遊びを安全にするために、次の注意点を守りましょう。
常に監視する
特に初めてコングを使う場合や、新しいサイズ・種類を試す際は、必ず愛犬がどのように扱っているかを見守りましょう。
遊んでいる途中で異常な行動を見せたり、コングが壊れている場合は直ちに取り上げ、新しいものに交換する必要があります。
使用頻度に注意
コングは丈夫ですが、長期間使用すると劣化することがあります。
特に、裂け目ができたり、噛み切られた部分がある場合は、破損した箇所を犬が誤飲するリスクが高まります。定期的にコングの状態をチェックし、必要に応じて交換しましょう。
愛犬の反応を見極める
コングに対して興味を示さない犬もいるため、その場合はおやつの種類やコングの中に入れる工夫を変えることで、再度興味を引き出すことができます。
逆に、夢中になりすぎてしまう場合は、適切な休憩を挟んで遊ばせることも重要です。
実際に起こった犬のコングの事故例
ここでは、実際に起きたコングによる事故の事例をいくつか紹介し、どのような対策が有効かを考えてみます。
誤飲事故
小型犬が小さなコングを使用していた際、飼い主がサイズを見直さなかったため、成犬になっても同じサイズを使い続けた結果、誤飲してしまった事例があります。
この場合、緊急手術が必要となりました。このような事故を防ぐためには、成長に応じてコングのサイズを変更することが非常に重要です。
また、コングの劣化によって亀裂が入り、誤飲の原因にもなります。使用後は毎回、点検して劣化があれば交換をしてください。
歯の損傷事故
大型犬にブラックコングを与えていたところ、噛む力が強すぎて歯が折れてしまうという事故が起こりました。
このようなケースでは、愛犬の噛む力を過信せず、適切な硬さのコングを選ぶ必要があります。
コングの使い方と洗い方
コングは、知育玩具としての機能を最大限に活用するために、正しい使い方とメンテナンスが大切です。
コングの基本的な使い方
コングの基本的な使い方として、中におやつを詰めることで、犬が自分でおやつを取り出す楽しさを体験できます。
初めての犬には簡単に取れる小さめのおやつを入れ、慣れてきたらペースト状のおやつや、凍らせた食べ物を詰めることで、難易度を上げて楽しませましょう。
これにより、飽きずに長時間遊ぶことができます。
コングにペーストを使った遊び方
コングを使って愛犬にさらに楽しさを与える方法の一つが、ペースト状のおやつを詰めることです。
通常のドライフードやおやつを詰めるだけでは物足りない、もしくはすぐに取り出してしまう犬にとって、ペーストは大きな挑戦と刺激を与えます。
まず、コングの大きな穴の方から市販のドッグペーストやピーナッツバター(無塩・無糖)を詰めるのが基本です。
ペーストは犬が舐めることで少しずつ楽しむため、長時間遊び続けることができます。
ペーストを詰める際は、全部をぎっしり詰めるのではなく、ほどよく空間を残してあげることで、難易度が適度に調整されます。
さらに、ペーストを凍らせる方法もおすすめです。冷凍することで硬さが増し、犬はペーストを取り出すのにもっと時間をかけて夢中になります。
特に暑い季節には、冷たいペーストが爽やかなおやつとしても楽しめるでしょう。
この方法は、留守番の際に与えるアイテムとしても効果的で、時間つぶしやストレス軽減に役立ちます。
コングの洗い方
コングは定期的な洗浄も重要です。コングは、犬の健康を守るために清潔に保つ必要があります。
特に食品を詰める場合、残り物がカビの原因になることもあるため、毎回使った後は洗いましょう。
コングを洗うには、食器用洗剤を使い、流水で内部までしっかりと洗い流します。
汚れがひどい場合は、ぬるま湯に浸けてからブラシでこすると効果的です。また、コングは食洗機にも対応しているため、簡単に洗浄することも可能です。
洗う際の注意点
- コングのゴムが劣化するので熱湯およびベンジンやシンナーで洗わないように注意しましょう。
- 乾いたら曲げてみて、ゴムのひび割れを確認して。一口大より大きく書けそうなときは、誤飲の事故につながるため交換してください。
コングのよくある質問Q&A
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コングで毎食餌を与えるのは良くないですか?
問題ありません。頭も使うので愛犬の脳の刺激になり、早食い防止にもなります。
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コングは何を使って洗えばよいですか?
コングの中を洗うのであれば、歯ブラシや哺乳瓶用ブラシとなどが適しています。汚れがこびりついた場合には、ぬるま湯に食器洗い洗剤をいれたものに浸けてから洗ってください。。
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コングに愛犬が見向きもしません。どうしたらよい?
コングの中に入れる食べ物を愛犬の好きな食べ物やオヤツしてください。例えばチーズ、茹でたレバー、茹でた鶏肉、リンゴなどをお試しください。
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コングは誤飲の危険は少ないですか?
愛犬に合わせてサイズと硬さを選べば、危険性は少ないはずです。噛む力が強い場合には。ブラックコングがお勧めです。
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コングの素材は絶対に安全なんでしょうか?
天然ゴム製ですから害はありません。使用前によく洗ってからご使用ください。ゴムにアレルギーがあれば使用しないでください。劣化すると誤飲の危険もありますので交換をお願いします。
まとめ:犬とコングでの事故を防ぐために
犬がコングでの事故を防ぐためには、適切なサイズや種類の選定が第一です。
また、遊ぶ際には常に愛犬を見守り、コングの状態を定期的に確認することも欠かせません。
犬に安全で楽しい遊びの時間を提供するために、これらのポイントをしっかりと押さえておきましょう。